成熟

今、ＮＨＫでやっている「スーパーピアノレッスン」をご覧になっている方もいらっしゃると思います。
トルコ人のピアニスト、フセイン・セルメットによるレッスン。
10代から20代の世界各国の生徒さんたちがレッスンを受けています。
みんな国際コンクールに入賞していたり、ピアニストとしてコンサート活動もしている優秀な人ばかり

けれど、若いせいか、指は勿論良く回るし難しい曲を弾いているのだけれど、表現、心の中からあるいは
魂から湧き出てくるような情熱が薄い感じがする。
先生はとても熱い方で、見本の演奏は血の通った本当に素晴らしい演奏
先生のもどかしさというか、歯がゆさが良く分かる
けれど、テレビだし辞める訳にもいかないし、ご自身の評価にも繋がるでしょうから、どうにか生徒に変化を
もたらそうと熱く熱くレッスンしていらっしゃいます。
おそらく普段のレッスンで、あそこまで熱意を持って熱心に付き合ってくださる先生ってなかなかいないのでは
ないでしょうか。。。

子供でも大人でも同じ事なのですが、やはり「人との出会い」というのがその人の将来をも変えてしまう。。。
ピアノのレッスンでも、「どれだけ熱心に根気良く付き合ってくださる先生に出会えるか」、「どんな先生と出会えるか」で、随分変わってくると思います。
勿論、本当に才能の有るごくまれな人は、自分で考える力がずば抜けて優れていたりすれば（こういう人は何時間でも時間を忘れて１つのことに打ち込める・という努力できる才能を持っています）、先生が与えてくださった１つのヒントから自分で考えてあれこれ試してみて、自らテクニックだったり様々なことを発見できるかもしれないけれど、そうでなければ、あとはどれだけのことを先生が教えてくださるか・に左右されてくると思うのです。
教えられないと気付かない・という平凡な人が殆どでしょう。それでも、教えられれば気付く・分かる・というのも
大切なことです。
そして、大抵の人は丁寧に根気良く教えられれば、ある程度は何でもできるようになるのです！
あとは教師側がどこまで諦めずに根気良く付き合えるか・だと思うのです。
ですから、「どんな先生と出会うか」によってその人がもっている力が花開くかどうかが左右されてしまう。
教師側が「まだ子供だから」「趣味の人だから」と線を引いてしまっては、音楽の本当の部分を教えられれば
子供であろうと趣味の人だろうと分かるし、丁寧に教えてもらえればできるのに、そして、本当の音楽の
楽しみを感じたいはずなのに、知らずに過ぎ去ってしまうのです。
惜しみなく教える・ということはエネルギーもいりますし大変なことでもあるのですが、そこに情熱を持てるかどうかでしょう。
そして、情熱を持って教えたことが生徒さんに通じたとき、本当に嬉しいのです
これが教師としての一番の喜びではないでしょうか


話がそれてしまいましたが「タイトル」の「成熟」についてですが、私もこれまで沢山の人の公開レッスンだったり、テレビでのレッスン、そして自分のレッスン、教えること、コンサート活動などを通じて、様々な角度から人のレッスン・自分のレッスンを見てきて経験もつみ、人間としても年齢を重ねるうちに段々音楽が成熟してきたように今日思えたのです（自画自賛・・・笑）
久しぶりにピアノをまともに弾いてみて、新曲を譜読みしていただけなのですが、「あれ」と自分の成長に自分で気付けて少し嬉しかったのです。
人から気付かれて「変わったね」「よくなったね」といわれるのも嬉しいですが、自分自身で感じ取れるというのも嬉しいものです。例えば、かさかさだったお肌をお手入れしていたら段々と肌の状態がよくなってきたのを感じられたときとか、ダイエットしていてその成果が少しずつ見えてきたりとか、そのような感覚です。
沢山見聞きするというのは大切ですね～。
これからコンサートに向けて本腰を入れて選曲から練習をしていかないといけないのですが、小さな喜びがやる気を起こしてくれました
12月に向けて頑張ります